
2025.05.26
- コラム
クラウド型アルコールチェックで点呼業務を自動化!業務効率化と人件費削減を実現
毎日繰り返される点呼業務。多くの企業が当然のようにこなしているこの作業が、膨大な時間と人件費を浪費しています。
点呼は形式的な業務ではなく、安全運行の要です。しかしながら、その多くは手書き帳票や対面確認など、手間と時間のかかる方法で行われています。これが、現場の残業発生や管理工数の増加、記録の保管・管理といった間接コストを生む一因となっているのです。
関節コストが積み重なるという課題を解決する手段として、クラウド型アルコールチェックシステムの導入があります。リアルタイムでの測定結果の記録・共有、遠隔での点呼確認、データの自動保存といった機能により、点呼業務を大幅に効率化できるからです。
この記事では、クラウド型システム導入よって得られる「時間」と「人件費」の削減効果を具体的に見ていきます。
毎日の点呼が積み上げる“見えないコスト”とは?
点呼業務における“非効率”の本質は、業務が属人的かつ手作業中心であることです。この結果、業務時間が長引き、対応する人員も固定されがちです。帳票の印刷・保管・記録にもコストがかかります。
点呼業務は日々の業務に埋もれがちな「間接コスト」として見落とされやすく、管理者にとっては把握しづらい経費項目です。しかし、それが月間・年間単位で見ると無視できない金額になってきます。
残業代・割増賃金に与える影響
点呼業務の開始・終了が定時外になる場合、管理者や担当者は早出・残業対応を余儀なくされます。夜間や早朝の運行が多い業種では、1日30分〜1時間程度の割増時間外勤務が日常化しているケースもあります。
●1時間の残業 × 22日 × 管理者1名 × 時給2,000円(割増含む)
= 月間44,000円の残業代
= 年間528,000円の追加人件費
点呼対応のためだけに、これだけの残業コストが発生していると考えると、業務効率化の余地は非常に大きいといえます。
印刷・保管・記録など“間接コスト”も侮れない
点呼記録の帳票作成や保管にかかるコストも無視できません。紙代・インク代・ファイル保存場所の確保、監査時に提出可能な状態で保管する必要があるため、事務担当者の管理工数も増大します。
●帳票用紙・ファイル・印刷コスト:約3,000円〜5,000円/月
●保管スペース(ロッカー・書庫など)の維持費:月1,000〜2,000円相当
●点呼記録の管理・提出作業:月5〜10時間程度の事務工数
これらのコストも、月間1〜2万円、年間で20万円以上にのぼる場合があります。つまり、点呼業務は見かけ以上に多くの「間接コスト」を企業にもたらしているのです。
クラウド型システムでコストがこう変わる!
クラウド型アルコールチェックシステムの導入により、従来の点呼業務で発生していた時間的・経済的負担は大幅に軽減されます。業務の自動化、遠隔確認、データのデジタル保存によって、点呼体制が根本から見直され、無駄の削減と業務効率の向上が同時に実現します。
人件費の直接削減効果
点呼の自動化によって、現場管理者の拘束時間が削減されます。従来は、毎日決まった時間に複数人の点呼確認を手動で行っていたものが、クラウドシステムにより非対面・同時進行で確認可能になります。
●1回の点呼が3分短縮される場合(従来10分 → クラウド導入後7分)
20人 × 2回 × 3分 × 22日= 月間約44時間の短縮
時給1,500円換算で66,000円の人件費削減
●複数拠点に1名ずつ管理者を配置していたケース
遠隔確認により管理者数を削減可能。1人分の人件費(月30万円前後)を浮かせられる企業もあります。
ペーパーレス化による管理コストの縮小
紙台帳を廃止し、記録をすべてクラウドに自動保存することで、印刷・保管・整理にかかる事務工数が大きく削減されます。
●月間の帳票印刷コスト:0円(完全ペーパーレス化)
●保管スペースの不要化:物理的な書庫不要、オフィスの省スペース化
●年間記録保管の義務も自動化:担当者の作業時間削減(10時間/月 → 2時間/月)
月数千円〜1万円相当の事務経費と、年間100時間超の管理工数を削減できます。
管理者の残業をゼロに近づける
夜間や早朝の運行では、点呼のために管理者が現場に立ち会う必要がありました。クラウド型システムでは、以下のような機能により非対面・遠隔での確認が可能になります。
●運転者が携帯型検知器で測定
●測定結果をスマートフォンで送信
●管理者はリアルタイムで結果をクラウド上で確認
物理的に現場にいなくても、管理者としての責務を果たせる体制が構築できます。月10時間以上の残業が解消され、月数万円、年間では数十万円のコスト削減が見込まれます。
導入コストの考え方
アルコールチェック義務化への対応として、クラウド型システムの導入を検討する事業者が増えています。法令順守を実現しつつ、業務効率化やコスト削減という副次的なメリットも得られるからです。では、実際にどれくらいの投資が必要で、どれほどの効果が期待できるのでしょうか。
クラウド型システムの費用構成とは?
たとえば、クラウド型アルコールチェックサービス「コムズ(COMS)」の場合、料金体系は以下の通りです。
●初期費用:0円
●月額費用(1台目)
サービス利用料:4,400円
デバイスリース料:2,970円
合計:7,370円(税込)
●2台目以降(1台あたり)
サービス利用料込み:3,300円(税込)
年1回のデバイス交換やメンテナンスも無料で対応されるため、ランニングコスト以外の追加負担はほとんどありません。
実際に導入した場合の投資対効果
例えば、運転者20名に個別端末を配布する中小運輸会社でのケースを見てみましょう。
●月額費用合計
1台目:7,370円
2台目以降(19台×3,300円):62,700円
合計:70,070円/月
●想定される月間コスト削減効果
点呼対応の人件費:12万円
印刷・保管等の管理経費:1万円
合計:約13万円/月
月々の支出を差し引いても、毎月6万円以上の純粋な削減効果が得られる計算です。初期費用が発生しないため、導入初月から実質的な投資回収が開始される点も特徴です。
このように、クラウド型アルコールチェックシステムは単なる設備投資ではなく、法令対応と業務効率化を両立させる戦略的な投資といえます。適切な台数・運用設計によっては、初期投資ゼロ・短期間での費用回収が可能な実例も少なくありません。
コスト削減だけじゃない副次効果も
クラウド型アルコールチェックシステムの導入は、単なるコスト削減にとどまりません。日々の業務負担が軽減されることで、従業員の働き方や意識、職場の風土にも好影響を与える副次的な効果が期待されます。
管理者の精神的負担軽減
点呼業務が属人化している職場では、「管理者がいないと業務が回らない」状態に陥りがちです。これは業務継続性のリスクであり、精神的なプレッシャーの原因にもなります。
●クラウドシステムにより点呼確認が自動化されることで、業務の属人性を排除できます。
●突発的な休暇や不在時にも、他の担当者やリモート管理者が代替対応可能になります。
このような体制の構築により、管理者は精神的な負荷から解放され、業務全体を俯瞰しながらのマネジメントに集中できるようになります。
コンプライアンスと安全管理強化
クラウド型システムは、点呼記録をリアルタイムでデジタル化し、改ざん不可能な形で保存します。以下のようなリスクを事前に防ぐことができます。
●アルコールチェックの未実施や記録漏れによる法令違反
●監査時における提出資料の不備
●万一の事故発生時に備えた証拠保全の確保
事故後の損害賠償請求や行政処分において、点呼記録が明確に残っていることは、企業防衛の観点からも極めて重要です。これは、長期的には「コスト回避」として評価すべきメリットです。
導入後の現場の変化
クラウド型点呼システムの導入により、現場ではさまざまな実務変化が生じます。ここでは代表的な活用シナリオを通じて、導入効果のイメージを具体的に描きます。
拠点間の一元管理で二重作業が消える
運送会社や建設業では、1人の運行管理者が複数の営業所を兼務しているケースがよくあります。従来は各拠点ごとに点呼記録を別々に作成・管理し、統合するための集計作業が発生していました。
クラウド型システムを導入すれば、全拠点のデータが自動的に一元管理され、リアルタイムで確認・集計が可能になります。
●拠点ごとの紙記録を本社に送付する手間が不要
●管理者の移動時間・調整工数がゼロに
●エリア統括者が全体の点呼状況を即座に把握可能
このように、拠点間業務の重複とロスを大幅に削減でき、業務効率が飛躍的に向上します。
直行直帰対応で非効率な移動時間も削減
営業職やドライバーが現場に直行直帰する勤務体制では、点呼対応のためだけに事務所に立ち寄る必要があるケースが存在します。
クラウド型システムを活用すれば、以下のような非効率を解消できます。
●運転者は出発前にスマートフォンでアルコール測定を実施
●管理者はクラウド上でリアルタイムに確認
●結果は自動保存され、記録の手間が発生しない
1人あたり月に数時間の移動時間が削減され、労働時間の短縮や残業代の抑制にもつながります。
このような柔軟な運用体制は、企業全体の労務管理体制の見直しにも波及効果をもたらし、「働き方改革」の実現にも貢献します。
まとめ

日々当たり前のように繰り返されている点呼業務。しかしその裏には、膨大な人件費と管理工数、紙媒体に依存した非効率な仕組みが潜んでいました。
本記事では、その「時間×人件費」の無駄を可視化し、具体的なシミュレーションによって、どれだけのコストが日々浪費されているかを明らかにしてきました。たとえ1回あたりの点呼が数分であっても、月間・年間ベースで積み上げれば、何十万円という金額に相当します。
そこに対する有効な打ち手が、クラウド型アルコールチェックシステムの導入です。
●点呼業務の自動化と遠隔対応により、拘束時間や残業コストが削減されます。
●ペーパーレス化で帳票印刷や保管といった間接コストが不要になります。
●安全管理・コンプライアンス体制の強化という副次的な効果も得られます。
そして何より、クラウド化によって働き方そのものが変わります。拠点間の一元管理や直行直帰対応の柔軟性が生まれ、現場の移動・確認作業にかかるムダが解消されます。
クラウド型システムの導入は、単なる「システム投資」ではありません。それは、企業の業務構造そのものを再設計し、働き方と経営の在り方を見直す“きっかけ”となるものです。
まずは自社の点呼体制を振り返り、「時間×人件費」の現状を見える化することから始めてみてください。