2024.12.06

2026.09.10

  • コラム

安全運転管理者が必要な事業所とは?選任基準・要件・業務を解説

社用車が5台になったものの、会社全体で数えるのか、支店ごとに数えるのか迷っていないでしょうか。リース車や従業員の持込車、二輪車があると、選任要否の判定はさらに複雑になります。

この記事では、次の内容を解説します。

  • 安全運転管理者が必要な事業所の判定方法
  • 車種・台数と副安全運転管理者の選任基準
  • 選任する人の資格要件と届出
  • 選任後に継続する法定業務

結論として、選任義務は会社全体の保有台数ではなく、自動車の使用の本拠ごとの車種・使用台数で判断します。対象となる場合は、要件を満たす人を選任し、15日以内の届出と日常の安全運転管理まで進める必要があります。

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安全運転管理者が必要な事業所は拠点と車両台数で判定

安全運転管理者が必要かどうかは、会社全体の保有台数ではなく、自動車の使用の本拠ごとに車種と台数を確認して判断します。最初に拠点を分け、その拠点で業務に使う車両を漏れなく洗い出しましょう。

判定の要点は、乗車定員11人以上の自動車の有無、その他の自動車が5台以上あるか、二輪車を正しく換算できているかの3つです。

会社全体ではなく「自動車の使用の本拠」ごとに判断

「自動車の使用の本拠」とは、事業所など、使用者が自動車の運行を管理する拠点を指します。同じ会社でも、本社・支店・営業所が別の使用の本拠なら、拠点ごとに選任基準へ該当するかを判定します。

たとえば、本社で普通車3台、別所在地の支店で普通車2台を使用している場合、会社全体では5台です。しかし、それぞれが別の使用の本拠なら単純には合算せず、本社3台、支店2台として確認します。

まずは、所在地、車両の保管場所、日常の配車や鍵の管理、運転者への指示を行う部署を整理し、使用の本拠ごとの車両台帳を作ると判定しやすくなります。

11人以上なら1台、その他は5台以上が基準

安全運転管理者を1人選任する基本基準は、次のとおりです。

車両区分 選任基準 必要人数
乗車定員11人以上の自動車 1台以上 1人
その他の自動車 5台以上 1人

普通乗用車が5台未満でも、乗車定員11人以上のマイクロバスなどを1台使用していれば対象です。「5台以上」だけで判定せず、乗車定員も確認することが重要です。

二輪車は0.5台、50cc以下の原付は数えない

大型自動二輪車と普通自動二輪車は、1台を0.5台として計算します。50cc以下の原動機付自転車は、この台数には含めません。

たとえば、その他の四輪自動車4台と、対象となる自動二輪車2台を同じ使用の本拠で使う場合、4台+0.5台×2台で合計5台です。このケースは安全運転管理者の選任基準に達します。

名称だけで判断せず、車検証や登録情報で車種区分を確かめると、換算ミスを防げます。

リース車や持込車も使用実態から洗い出す

車両を数える際は、会社名義の自動車だけを一覧にすると漏れが生じます。所有名義ではなく、事業所が継続的に業務で使用・管理しているかを確認してください。

車両例 基本的な扱い 確認事項
会社所有車 使用台数に含める 使用の本拠と車種
社長車 業務使用なら含める 私用のみか業務兼用か
リース車 業務使用なら含める 配置拠点と契約期間
従業員の持込車 業務命令等で継続使用なら含める 使用頻度と管理実態
レンタカー・短期代車 個別確認が必要 使用期間と運行管理の実態

レンタカーや短期の代車は、一律に対象・対象外と断定できません。利用期間や管理方法を整理し、判断に迷う場合は使用の本拠を管轄する警察署へ確認しましょう。

法定対象外は事業形態と根拠を確認

車両台数の基準を満たしていても、法令上、安全運転管理者制度の対象外となる事業所があります。ただし、「運行管理者がいる」「運送に関わる会社」という理由だけで対象外とは判断できません。

対象外となる事業区分に該当し、運行管理者等を置いているかを確認します。判断が難しい場合は、事業許可や登録内容を用意して所轄警察へ相談してください。

対象外となる自動車運送事業者等

警察庁の制度概要では、次の事業所が対象外として示されています。

自動車運送事業者
運行管理者等を置く、旅客・貨物の自動車運送事業者の事業所です。名称だけでなく、法令上の事業区分と選任状況を確認します。
第二種貨物利用運送事業者
該当する事業登録と、運行管理者等を置く事業所であるかを確認します。制度の詳細比較は、所管窓口へ確認するのが確実です。
自家用有償旅客運送事業者
登録に基づく自家用有償旅客運送を行い、運行管理者等を置く事業所が該当します。

肩書や法人格だけで対象外と判断しない

社内で車両担当者を「運行管理者」と呼んでいても、それだけで法定の対象外にはなりません。反対に、個人事業主だから必ず対象になる、法人だから一律に対象外になるという区別もありません。

対象外かどうかは、法令上の事業区分と運行管理者等の選任状況で確認します。一般企業が営業車や社用車を使っている場合は、まず使用の本拠ごとの車両基準で判定しましょう。迷うときは自己判断せず、管轄警察署へ確認することが大切です。

副安全運転管理者は20台以上から必要

安全運転管理者の選任要否を確認したら、同じ使用の本拠で管理する自動車が20台以上かも確認します。20台以上になると、安全運転管理者を補助する副安全運転管理者の選任が必要です。

副安全運転管理者の人数も使用の本拠ごとに計算します。20台に達した時点で1人が必要になり、その後は20台増えるごとに1人ずつ増えます。

20台以上40台未満は1人、以後20台ごとに増員

台数別の最低人数は、次のとおりです。

使用台数 必要な副安全運転管理者数
20台未満 0人
20台以上40台未満 1人
40台以上60台未満 2人
60台以上80台未満 3人
80台以上100台未満 4人
100台以上 以後20台ごとに1人追加

ここでも大型・普通自動二輪車は1台を0.5台として計算します。境界付近の事業所では、台帳上の台数だけでなく、追加予定のリース車や持込車も含めて確認しましょう。

車両増減や拠点再編のたびに再判定

選任基準は一度確認して終わりではありません。次の変化があったときは、安全運転管理者と副安全運転管理者の必要人数を再計算してください。

車両変更
増車、リース契約、業務使用する持込車の追加や終了があったときは、変更後の台数で判定します。
拠点変更
事業所の新設・移転・統廃合では、使用の本拠そのものが変わる可能性があります。
車種・定員変更
乗車定員11人以上の車両や、0.5台換算する二輪車の追加は、総台数だけでは判断できません。

車両台帳に契約開始日・終了日と配置拠点を記録し、人事や総務、車両管理部門の間で変更情報を共有すると見落としを減らせます。

安全運転管理者に選べる人の資格要件

選任対象の事業所では、誰でも安全運転管理者になれるわけではありません。候補者について、年齢、運転管理に関する経験、欠格事由を確認します。

安全運転管理者と副安全運転管理者では要件が異なります。副安全運転管理者を置く事業所では、安全運転管理者の年齢要件が30歳以上になる点にも注意してください。

年齢と運転管理の実務経験を確認

基本的な資格要件は次のとおりです。

確認項目 安全運転管理者 副安全運転管理者
年齢 20歳以上
副管理者を置く場合は30歳以上
20歳以上
経験 運転管理の実務経験2年以上 運転管理の実務経験1年以上、または運転経験3年以上
その他の経路 同等以上の能力があると公安委員会が認定した人 同等以上の能力があると公安委員会が認定した人

ここでいう運転管理の実務経験は、単に自動車を運転していた年数とは異なります。候補者の職歴や担当業務を整理し、要件に該当するか不明な場合は、届出前に管轄警察署へ確認しましょう。

また、安全運転管理者には、法定業務を実施するために必要な権限が求められます。年齢と経験だけでなく、運転者への指示や記録確認を実際に行える役職・勤務体制かも重要です。

過去2年の欠格事由も確認

年齢と経験の要件を満たしていても、一定の欠格事由に該当する人は選任できません。主な確認区分は次のとおりです。

解任命令
過去2年以内に、公安委員会から安全運転管理者等の解任命令を受けた人は選任できません。
重大な違反行為
過去2年以内のひき逃げ、無免許運転、酒酔い・酒気帯び運転、妨害運転など、法令で定める違反を確認します。
下命・容認等
酒酔い・酒気帯び運転、無免許運転、過労運転、速度違反などを命じたり容認したりした場合も対象になり得ます。

欠格事由は項目が細かいため、候補者本人への確認と公的書類による確認を組み合わせることが大切です。届出時に必要となる証明書類も地域で異なるため、所轄警察の案内を確認してください。

選任後15日以内に公安委員会へ届出

安全運転管理者等を社内で選任しただけでは、法定手続きは完了しません。選任した日から15日以内に、都道府県公安委員会へ届け出る必要があります。

実務では、候補者の要件確認と並行して所轄警察の案内を調べ、提出書類を準備しておくと期限内に進めやすくなります。

  1. 候補者の年齢・経験・欠格事由を確認する
  2. 社内で安全運転管理者等を選任する
  3. 所轄警察の案内で必要書類を確認する
  4. 選任日から15日以内に届け出る
  5. 選任後の講習通知を確認する

安全運転管理者や副安全運転管理者を交代した場合も、前任者の解任と後任者の選任に関する届出が必要です。車両が基準未満になった場合や事業所を閉鎖した場合も、解任手続きを確認してください。

提出書類と方法は都道府県警察で確認

届出では、安全運転管理者等に関する届出書のほか、住民票や運転免許証の写し、運転記録証明書などを求められる場合があります。ただし、必要書類と提出方法は都道府県警察によって異なります。

窓口への提出に加え、電子申請や郵送を利用できる地域もあります。自動車の使用の本拠を管轄する警察署の最新案内で、書類、受付方法、記載方法を確認しましょう。

講習は選任後の運用として対応

安全運転管理者等に対する講習は、講習を受けて資格を取得してから選任する仕組みではありません。まず要件を満たす人を選任・届出し、その後、公安委員会からの通知に従って受講します。

講習の開催日、申込方法、手数料は地域で異なります。届出後に届く案内を見落とさない社内連絡先を決めておくと、担当者変更時にも対応しやすくなります。

選任後に継続する安全運転管理者の業務

安全運転管理者の選任・届出は、対応の開始点です。選任後は、運転者の状況把握から酒気帯び確認、記録、指導まで、法令で定められた業務を日常の運用として継続します。

担当者個人に任せきりにせず、確認の時刻、代行できる人、記録場所、異常時の連絡先まで決めておくことが重要です。

運転者の把握・運行計画・交代要員の配置

運転者の状況把握
運転者の適性、技能、法令遵守状況など、安全運転に必要な状態を継続的に把握します。
運行計画の作成
最高速度違反、過積載、過労運転などを防げるよう、安全運転を確保するための運行計画を作成します。
交代要員の配置
長距離運転や夜間運転で疲労が見込まれる場合は、交代できる運転者を配置します。

点呼・異常気象対応・運転日誌・安全運転指導

点呼等による確認
運転前に点呼などを行い、過労、病気などで正常に運転できないおそれがないかを確認し、必要な指示を出します。
異常気象時の措置
大雨、強風、積雪などで安全な運転が難しい場合は、運行中止や経路変更など必要な措置を講じます。
運転日誌の管理
運転者に運転の状況を記録させ、日誌を備え付けます。誰が、どの車両を、どのように使ったかを追える状態にします。
安全運転指導
運転者に対し、安全運転に必要な知識や技能について指導します。

これらは単独の作業ではありません。点呼で把握した体調を運行判断へ反映し、運転日誌の記録をその後の指導へつなげるなど、確認結果が次の対応に結びつく仕組みが必要です。

酒気帯び確認は目視等と検知器の両方で実施

安全運転管理者は、運転しようとする運転者と運転を終えた運転者について、酒気帯びの有無を確認します。確認はアルコール検知器の数値だけではなく、目視等による状態確認と組み合わせて行います。

確認事項 必要な対応 管理上の注意
実施時点 運転前と運転後に確認 対象者の漏れを防ぐ
確認方法 目視等と検知器を使用 非対面時は所定の方法を確認
記録 確認内容を記録 1年間保存する
検知器 正常に作動する状態を維持 常時有効に保持する

確認方法を決めるだけでなく、未実施者の把握、記録漏れの確認、保存期間中の検索性も考える必要があります。毎日の確認を無理なく続けられる体制まで設計することが、選任後の重要な課題です。

当社のクラウド型アルコールチェックサービス「コムズ(ALCOMS)」では、測定結果の自動送信、クラウド保存、管理画面での確認を支援します。紙やExcelへの転記負担を見直したい場合は、導入費用と自社での運用方法を確認できます。

未選任や届出漏れには罰則がある

選任基準に該当するのに安全運転管理者等を置かない場合と、選任・解任の届出をしない場合は、それぞれ罰則があります。選任と届出は別々の義務として期限を管理してください。

違反内容 罰則 防止策
安全運転管理者等の選任義務違反 50万円以下の罰金 拠点別に台数を定期確認
選任・解任時の届出義務違反 5万円以下の罰金 選任日と15日期限を記録

罰則を避けるだけでなく、必要な安全運転管理が行われない状態を防ぐことが制度の目的です。車両台帳、人事異動、届出履歴を関連づけて管理しましょう。

選任義務違反は50万円以下の罰金

基準に該当する事業所で、安全運転管理者や必要な副安全運転管理者を選任しなかった場合は、50万円以下の罰金の対象です。

未選任は、制度を知らなかった場合や、増車によって途中から基準へ達した場合にも起こり得ます。車両を追加する前に選任要否を確認する工程を、リース契約や車両購入の社内手続きへ組み込むと防ぎやすくなります。

選任・解任の届出義務違反は5万円以下の罰金

安全運転管理者等を社内で決めていても、選任・解任時の届出を怠ると5万円以下の罰金の対象です。「担当者を決めたから対応済み」と考えず、届出の受理まで確認しましょう。

担当者の交代、事業所の閉鎖、車両減少による解任なども手続きの確認が必要です。人事異動日や選任日を起点に、届出担当者、提出期限、提出状況を一つの管理表に残すと対応漏れを防げます。

選任要否を確認した後は運用体制まで整備

安全運転管理者が必要かを確認した後は、選任・届出と日常業務を一つの計画にまとめます。対象判定だけで終わらせず、確認と記録を続けられる状態まで整えることが大切です。

拠点や運転者が多い会社では、車両情報を持つ部署、選任手続きを行う部署、毎日の確認を行う現場が異なる場合があります。責任の境界と情報共有の方法を明確にしましょう。

まず行う4つの確認

  1. 使用の本拠となる拠点を一覧にする
  2. 拠点ごとに車種と使用台数を棚卸しする
  3. 候補者の要件を確認して15日以内に届け出る
  4. 点呼・酒気帯び確認・記録の担当と方法を決める

判定に迷う車両や事業区分がある場合は、使用状況や契約書類を整理して管轄警察署へ確認します。回答を社内記録として残せば、増車や拠点変更時の再判定にも使えます。

酒気帯び確認と記録を続けられる仕組みを選ぶ

酒気帯び確認の方法は、紙やExcel、クラウドサービスなど複数あります。どの方法でも、対象者の確認、必要項目の記録、1年間の保存、検知器の管理を継続できることが前提です。

運転者が多い場合や直行直帰がある場合は、誰がどこで確認したか、未実施者がいないかを管理者が把握できる仕組みが役立ちます。自社の拠点数・運転者数・確認体制に合う方法を選ぶことが重要です。

当社のコムズは、顔認証、測定時の位置情報記録、結果の自動送信、未検知者リスト、管理者の権限設定に対応しています。複数拠点や直行直帰を含む運用を整理したい場合は、利用人数から費用を試算し、自社に合う管理方法をご相談いただけます。

まとめ|安全運転管理者が必要か拠点ごとに確認

安全運転管理者が必要な事業所かどうかは、会社全体ではなく、自動車の使用の本拠ごとに判断します。乗車定員11人以上の自動車は1台以上、その他の自動車は5台以上が基本基準です。二輪車の換算や、継続的に業務使用するリース車・持込車も見落とせません。

対象となる場合は、年齢・経験・欠格事由を確認して管理者を選任し、15日以内に届け出ます。その後も、点呼、運行計画、酒気帯び確認、記録保存などを継続する体制が必要です。

まずは使用の本拠ごとに車両を棚卸しし、判断に迷う点を所轄警察へ確認してください。そのうえで、担当者、確認方法、記録場所を決めれば、選任だけで止まらない運用へ進めます。

当社では、コムズの導入費用を利用人数から試算でき、酒気帯び確認の記録管理に関するご相談も受け付けています。自社に合う運用を具体化したい方は、料金確認またはお問い合わせへお進みください。