2026.09.28

2026.10.02

  • コラム

アルコールチェック記録簿の正しい記載と保存方法

アルコールチェック記録簿を用意したものの、「必要な欄は揃っているか」「紙と電子のどちらで保存すればよいか」と迷うことはないでしょうか。測定を続けていても、確認者や確認方法が抜けると、実施内容を後から確かめにくくなります。

安全運転管理者制度の対象事業所では、確認内容を記録し1年間保存することが必要です。この記事では、2026年10月2日時点で確認した制度情報を基に、次の内容を解説します。

  • 必須8項目と追加の管理項目
  • 記録簿の書き方と記入例
  • 保存期間と紙・電子の管理方法
  • 記録漏れを防ぐ照合と社内教育

大切なのは、必要事項を残し、保存期間中に取り出せる状態で管理することです。自社の様式と運用を照らし合わせれば、先に見直す点が明確になります。

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アルコールチェック記録簿は確認内容を残すための記録

アルコールチェック記録簿は、運転者の酒気帯びの有無を、誰が、いつ、どのように確認したかを残すための記録です。測定を実施するだけでなく確認内容を記録することで、日々の対応を後から確かめられます。

この記事は、白ナンバーの業務用車両などを使用する、安全運転管理者制度の対象事業所向けに解説します。運送事業者に適用される点呼・運行管理の制度とは区別して確認してください。

道路交通法施行規則第9条の10第6号は、運転前後の運転者について、目視等とアルコール検知器による酒気帯び確認を定めています。同条第7号では、確認内容の記録と1年間の保存などを求めています。

酒気帯び確認では、検知器の測定結果に加えて、運転者の顔色や応答の声の調子なども確かめます。記録を管理するときも、機器の測定記録と確認者による確認を区別する必要があります。

記録や確認を怠った行為を直接罰する規定と、安全運転管理者の選任義務違反などの罰則は別の話です。ただし、業務が適切に行われていない場合には、公安委員会による安全運転管理者の解任命令などにつながることがあります。

記録の不備だけで、事故時の企業責任が一律に決まるわけではありません。罰則の有無だけで判断せず、必要な確認と記録を継続できる体制を整えることが大切です。

記録簿の必須8項目と任意の管理項目を分ける

記録簿を点検するときは、必要な確認内容が揃っているかを先に確認します。必須の確認内容と追加の管理情報を分けると、入力欄を増やす目的も整理しやすくなります。

施行規則が定める記録義務を、警察庁の通達が8項目に具体化しています。この8項目は法令本文にそのまま列挙されたものではなく、確認内容を記録する際の基準です。

確認者・日時・方法など8項目を記録

記録簿には、次の8項目を残せる欄を設けます。既存の様式を使っている場合も、項目名だけでなく、実際に確認内容を記入できているかを点検しましょう。

項目 記載内容・注意点
確認者名 実際に酒気帯び確認を行った人の氏名
運転者 確認を受けた運転者を識別できる氏名など
車両の識別情報 自動車登録番号、または車両を識別できる記号・番号
確認の日時 酒気帯び確認を行った日付と時刻
確認の方法 対面などの方法。非対面の場合は具体的方法
酒気帯びの有無 確認した結果として「有」「無」など
指示事項 運転中止など、運転者へ実際に行った指示
その他必要な事項 確認や対応に関して残す必要がある補足事項

確認方法には、対面かどうかに加え、検知器を用いたことも分かる記載にすると実施内容を追いやすくなります。非対面の場合は「電話」だけで終えず、声の調子と測定結果を確認したことなどを具体的に残しましょう。

指示事項やその他必要な事項は、該当する内容があるときに記録します。該当しない場合の表記を「特になし」などに統一すると、未記入との区別がつきます。

測定数値・検知器情報・サインは追加項目

検知器の名称・型番、測定数値、担当者のサインは、上記の8項目に独立した必須項目として列挙されていません。追加欄は管理上の目的を決めて設けることを基本にしましょう。

測定数値と単位
数値表示のある機器を使う場合、確認の経緯を追うために保存する選択肢があります。機器の表示どおりに単位も残し、数値だけで酒気帯びの有無の欄を代用しない運用にします。
検知器の識別情報
名称・型番・社内管理番号を残すと、どの機器を使用したかを追えます。機器を複数管理する場合は、機器台帳と照合できる番号の利用を検討します。
サインと記入担当
サインは確認者名の記録とは別の追加欄です。入力を代行する場合は、実際の確認者と記入した担当者を分けて残すと、問い合わせ先が明確になります。
測定日時
測定と確認の時刻が異なる場合は、測定日時を別に残す方法があります。必須の確認日時を、機器が記録した測定日時だけで置き換えないようにします。

任意項目だからといって、個別の状況で必要な情報まで省いてよいわけではありません。「その他必要な事項」に残すべき補足があるかを判断し、迷う場合は所轄警察署へ確認してください。

記録簿は確認直後に記入し業務前後を区別

記録簿に特定の書式は定められていません。必要な項目を揃えたうえで、確認後に速やかに記入できる様式を統一すると、時刻や結果の取り違えを減らしやすくなります。

確認は、一連の運転業務の開始前と終了後に行うことで足り、必ずしも個々の運転の直前・直後に毎回行う必要はありません。記録欄も業務前後を区別し、それぞれの確認日時・結果・確認者を残しましょう。

記入例で確認日時と確認方法を具体化

次の表は、記載の粒度を示す説明用の見本です。実在する事業所の実績ではなく、対面で確認した場合の例として、自社の様式に合わせて利用してください。

項目 業務開始前の例 業務終了後の例
確認者名 確認担当A 確認担当B
運転者 運転者A 運転者A
車両の識別情報 社内車両番号:営業01 社内車両番号:営業01
確認の日時 2026年10月2日 8時30分 2026年10月2日 17時45分
確認の方法 対面で状態確認、検知器を使用 対面で状態確認、検知器を使用
酒気帯びの有無 無 無
指示事項 特になし 特になし
その他必要な事項 特になし 特になし

表の「確認担当A・B」「運転者A」は説明用の表記です。実際の記録ではそれぞれの氏名などに置き換え、確認者が前後で異なる場合も、その都度確認した人を記載します。

車両の識別情報に社内番号を使う場合は、車両台帳と対応させ、どの車を指すかを特定できる状態にします。同じ社内番号が複数の車両を指さないように管理しましょう。

直行直帰などで対面確認が困難な場合は、直接対話できる方法などで状態と検知器の結果を確認します。「携帯電話で声の調子を確認し、検知器の測定結果の報告を受けた」といった記録なら、確認内容を追いやすくなります。

測定結果の送信だけで確認を済ませないことも大切です。メールや画像を送っただけの状態と、確認者が対話等で酒気帯びの有無を確認した状態を区別しましょう。

確認から保存までの担当と手順を統一

記入担当を決めるときは、酒気帯びを確認する役割と、結果を入力する役割を分けて整理します。入力を別の担当者に依頼しても、確認者名の欄には、実際に確認を行った人の氏名を残します。

  1. 確認者が運転者の状態と検知器の結果を確認する。
  2. 確認者または指定の記入担当が必要事項を記入する。
  3. 確認者が日時・結果・必須項目の不足を点検する。
  4. 決めた保存先へ記録を集約する。

「特になし」は、確認したうえで該当する指示や補足がない場合に使う表記です。空欄があるからといって、自動的に「特になし」や「酒気なし」で埋めないようにしてください。

確認自体が行われていない場合、未確認を確認済みの記録として補わないことが原則です。安全運転管理者へ報告し、実際の状況と対応を残して、再発防止につなげましょう。

誤記入の訂正方法は、経緯を確認できるように社内ルールで統一します。紙なら訂正前の内容を読めるように残し、訂正者と訂正日を記載する方法が考えられます。

電子の場合も、変更前後や変更者を追えるようにすると、後から修正の経緯を確認できます。これらは社内運用として決める方法の例であり、法定の訂正方式を示すものではありません。

保存期間は1年間で検索・提示できる管理が必要

安全運転管理者による酒気帯び確認の記録は、1年間の保存が必要です。必要事項を記録して1年間保存することを基本に、保存先と廃棄・削除の時期を決めましょう。

保存期間中でも、紛失した紙や表示できないデータでは内容を確認できません。保存期限を管理するとともに、必要な記録を取り出せる状態を保ちましょう。

各記録が1年間残るように廃棄時期を設定

月別や年度別に記録をまとめる場合は、ファイル内の各記録が1年間残るように廃棄時期を設定します。ファイルを作った日だけを基準にすると、後から追加した記録の保存期間が不足するおそれがあります。

運用上は、ファイル内の最終記録日を基に期限を管理する方法が考えられます。例えば月末まで記録を追加した台帳は、その最後の記録も1年間保存した後に、廃棄対象かどうかを判断します。

これは、ファイル単位で整理するときの管理方法の提案です。法令が一律に「年度末から1年間」などの起算方法を指定しているという説明ではありません。

1年を超えて保存する場合は、事故対応や社内管理などの目的に応じて社内方針を決めます。すべての企業に一律の長期保存を求めるものではなく、期間満了後の廃棄・削除方法まで整理しておきましょう。

担当者が変わっても該当記録を取り出せる状態

保存先を担当者個人の机や端末だけにすると、異動や不在時に記録を探せなくなることがあります。保管場所と検索方法を共有し、権限を持つ別の担当者も取り出せる状態にします。

  • 記録の保存先
  • 日付・運転者・車両の索引
  • 閲覧・提示を担当する人
  • 記録の表示・出力手順

日付や運転者を指定して検索できるかを確かめると、整理方法の不足に気づけます。紙なら該当月のファイルを取り出し、電子なら画面表示や出力まで実際に行ってみましょう。

紙と電子は記録量・検索頻度・管理工数で選ぶ

記録簿は紙で保存するほか、記録を表示・出力できる状態なら、パソコン等でデータ管理することもできます。保存形式より一連の管理を続けられるかで選ぶと、自社に合う方法を判断しやすくなります。

運転者が少なく同じ拠点で確認するなら紙で管理しやすい場合があります。記録件数や拠点が増え、検索・集計の機会が多くなる場合は、電子化を検討する価値があります。

比較軸 紙 電子
記録量 件数が少なければ手元で確認しやすい 件数が多くても一覧管理しやすい
検索性 日付別の索引やファイリングが必要 検索・絞り込み機能の有無で手間が変わる
保管スペース 台帳・ファイルの保管場所が必要 物理的な場所を抑えられるが保存容量の管理が必要
管理工数 記入・回収・整理・集計の手間がある 手入力の管理か自動連携かで負担が異なる
安全性 紛失・劣化・持ち出しへの対策が必要 誤削除・不正変更・アクセスへの対策が必要

自動記録や検索の機能は、利用する仕組みによって異なります。表計算ファイルと専用システムを比べる際も、必要な入力・検索・出力を実際に行えるかを確認しましょう。

紙はファイリングと保管環境を整備

紙で管理する場合は、拠点・月などの単位で整理し、ファイルの背表紙に記録期間を表示します。複数拠点の台帳を集めるなら、回収担当と回収日を決め、未回収の記録が分かるようにします。

記録期間と保管場所を対応させて整理すると、探す時間を抑えやすくなります。保管スペースが足りるかだけでなく、担当者が目的のファイルに迷わずたどり着けるかも確認してください。

保管場所は湿気や直射日光を避け、文字の退色や紙の劣化に備えます。運転者の氏名などが含まれるため、閲覧者を絞り、施錠できる収納の利用も検討しましょう。

原本の持ち出しは所在が分かるようにし、複写を作る場合も保存場所と廃棄ルールを決めます。紙を電子化して管理先を変える際には、全ページの読取と必要項目の表示・出力を確認してから移行します。

電子はアクセス権限とバックアップを整備

電子保存では、共有しやすさとデータ保護を両立させる必要があります。担当者が見られるだけでなく、誤削除や障害に備えて復元・出力まで確認することを運用に含めましょう。

アクセス権限
入力・修正・閲覧を行う人を分け、業務に必要な範囲で権限を設定します。担当者の異動や退職時には、利用権限と共有先も見直します。
バックアップ
元データと別の保存先に複製を残す方法を検討します。取得できたことだけで終えず、保存したデータが開けるか、必要な記録を復元できるかも確認します。
訂正履歴
修正した理由や担当者を追えるようにします。履歴機能がない表計算ファイルでは、訂正内容を別に管理するなど、変更の経緯を残す方法を決めます。
契約・障害時の備え
クラウドの場合、保存期間、出力形式、解約後の扱いを確認します。障害時に必要な記録を参照する方法や、手元へ出力する頻度も検討してください。

バックアップは消失リスクを下げるための対策であり、あらゆる事故を完全に防ぐものではありません。クラウドの機能や保存条件もサービスによって異なります。

電子化を進める場合は、自動取得できる情報と、人が確認・入力する情報を分けて点検しましょう。数値が自動保存されても、確認者や指示事項などが不足していれば、記録簿としての運用を見直す必要があります。

当社のクラウド型アルコールチェックサービス「コムズ(ALCOMS)」は、測定結果の自動送信・保存に加え、絞り込みやExcel/CSV出力に対応しています。転記や過去記録の検索に負担がある場合は、必要な機能と利用料金をご確認ください。

転記と検索を効率化

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自動保存した結果を絞り込み、ExcelやCSVで出力できます。

 

 

記録漏れは当日の照合と定期的な点検で防ぐ

記録欄を揃えても、対象者の確認や記入が抜ければ記録簿は完成しません。運転する人と実際に残った記録を照合する仕組みを作り、抜けを早めに見つけられるようにします。

当日の照合を行う担当と、定期的に記録を点検する管理者を決め、確認の役割を明確にします。専任担当者を置くかは、企業規模や記録量に応じて判断しましょう。

運転予定と業務前後の記録を照合

日々の点検では、その日に運転した人の一覧と、業務前後の記録を照合します。予定変更や急な運転も対象に含め、予定表だけに頼らず、実際の業務状況を確認することが大切です。

  • 対象の運転者に記録があるか
  • 業務開始前と終了後が揃っているか
  • 必須項目に不足がないか
  • 不備への対応が記録されているか

記録がない場合は、記入忘れなのか、確認自体が行われなかったのかを確認します。未確認を後から正常な結果で埋めるのではなく、安全運転管理者へ報告して、原因と対応を整理してください。

安全運転管理者が不在などで適切に確認できない場合は、あらかじめ指定した補助者等に確認を行わせる体制を整えます。代わりに確認する人への指導と報告先を決めることで、不在時にも判断が止まらないようにします。

補助者が酒気を確認した際には、管理者へ速やかに報告して指示を受けるなど、安全確保のための対応が必要です。担当表には、通常の確認者だけでなく、不在時の連絡先も残しておきましょう。

記入ルールの教育と運用の見直しを継続

導入時の説明では、記入例を使い、確認者名・確認日時・確認方法の書き方を揃えます。「特になし」と空欄の違い、訂正方法、保存先まで一緒に共有すると、担当者ごとのばらつきを減らせます。

担当者が変わる際は、ルールを渡すだけでなく、記録の作成から検索・出力まで実際に行ってもらいましょう。記入と保存の手順を引き継ぎ時に確かめると、説明だけでは見えないつまずきを把握できます。

運用例として、当日の照合に加えて、月1回などの頻度で管理者が記録を点検する方法があります。これは法定の点検頻度ではなく、記録量や勤務形態に応じて決める社内ルールです。

不備が同じ欄に集中する場合は、注意喚起だけでなく、入力欄や説明を見直します。回収・検索・転記の負担が増えた場合は、表計算ファイルへの移行や、自動連携できる記録管理システムの利用も選択肢になります。

システムを導入する場合も、確認する人の役割と不備への対応は残ります。例えば当社のコムズは、通信可能なスマートフォン等を使う前提のため、端末や通信環境を含め、自社の運用に合うかを確認してください。

まとめ|アルコールチェック記録簿の記載と保存を整える

アルコールチェック記録簿は、測定した事実だけでなく、誰がどのように酒気帯びを確認したかを残すためのものです。必要な確認内容と1年間の保存を両立することが、管理の基本になります。

まずは今の様式に8項目があるかを点検し、数値や機器情報などの追加欄は目的を整理しましょう。確認後の記入担当、当日の照合、保存先と廃棄時期を決めれば、記録から検索までの流れを見直せます。

紙・電子の選択は、記録量と検索頻度、管理できる体制を基準に判断してください。保存先を決めた後は、必要な記録を取り出せるかまで確かめましょう。

自社の体制に合う電子化を検討する際は、当社のコムズにご相談ください。記録保存と管理者確認を支援する機能について、運用条件に応じたご質問を受け付けていますので、費用確認とあわせて導入判断にお役立てください。

自社に合う管理方法

記録管理の導入検討

記録保存と管理者確認を支援し、日々の管理負担を減らします。