2026.07.17
2026.08.17
- コラム
飲酒運転撲滅へ:安全運転管理者の新たな責務とは
安全運転管理者になったものの、アルコールチェックを毎日どのように進め、記録や検知器を誰が管理すればよいか迷っていないでしょうか。制度の概要だけでは、直行直帰や担当者不在、有反応時まで含めた現場の手順は決めにくいものです。
この記事では、次の点を実務に沿って整理します。
- 運転前後に行う酒気帯び確認
- 記録8項目と1年間の保存
- 検知器を常時有効に保つ管理
- 直行直帰・不在・有反応への備え
- 記録管理を続けやすくする方法
安全運転管理者のアルコールチェックは、測定だけで完了しません。確認、記録、機器管理、例外時の連絡体制を組織で整えることが、日々の運用を続ける近道です。
当社のコムズは、測定結果の自動送信と管理画面での確認により、確認・記録・機器管理の流れをクラウドで支援します。
安全運転管理者に求められるアルコールチェックの基本
アルコールチェックは、検知器で数値を測るだけの業務ではありません。安全運転管理者が中心となって、運転者の状態を確認し、結果を記録し、検知器を使える状態に保つまでを継続する取り組みです。
対象となる事業所では、確認・記録・機器管理を一体で回す体制を整えることが大切です。担当者一人の経験や記憶に頼ると、休暇や拠点の増加により運用が止まりやすくなります。
アルコール検知器を使った確認は2023年12月から実施
安全運転管理者には、運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認し、内容を記録して1年間保存することが求められています。さらに、2023年12月1日からは、目視等に加えてアルコール検知器を用いた確認も必要になりました。
現在の運用では、運転前後の確認、検知器の使用、確認内容の記録・保存、検知器の常時有効保持をまとめて実施します。制度の経緯よりも、日々の業務にどう組み込むかを優先して考える必要があります。
安全運転管理者だけに業務を集中させない
安全運転管理者の選任は、使用の本拠ごとに、定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使用する場合が目安です。車両の数え方や事業形態には例外もあるため、対象か迷う場合は所轄警察署へ確認しましょう。
安全運転管理者は、酒気帯び確認のほかにも、運転者の状況把握、点呼、安全運転指導などを担います。そのため使用者は、必要な権限や検知器を整え、規模に応じて副安全運転管理者や補助者を含む無理なく継続できる確認体制を作ることが重要です。
日々実施する4つのアルコールチェック業務
日々のアルコールチェックは、運転前に測定して終える仕事ではありません。開始前と終了後の確認、記録の保存、検知器の保守までをつなげて初めて、継続できる運用になります。
まずは「誰が・いつ・どの方法で確認し、どこに残すか」を固定しましょう。確認の手順を毎日の業務フローに組み込むことが、担当者の負担と記録漏れの両方を抑える土台になります。
運転前後に酒気帯びの有無を確認する
確認する対象は、運転しようとする運転者と、運転を終了した運転者です。ここでいう運転は、一連の業務としての運転を指します。
そのため、短い移動のたびに直前・直後の確認を繰り返す必要はありません。運転を含む業務の開始前・終了後、または出勤時・退勤時に確認する方法で足ります。
営業車で外回りをする社員、送迎を担当する社員など、働き方によって適切な時刻は異なります。対象者、確認の時刻、確認者を社内ルールに書き出し、運転者が迷わない状態にしておきましょう。
目視等とアルコール検知器を組み合わせる
確認では、アルコール検知器の測定結果に加えて、運転者の状態も見ます。目視等とは、顔色、呼気のにおい、応答の声の調子などを確認することです。
数値だけを受け取る、または運転者の自己申告だけで済ませる運用では不十分です。運転者の状態と測定結果を同じ確認の中で把握することが、酒気帯び確認の基本になります。
対面で確認できる日は、測定結果を確認しながら表情や応答を見ます。対面できない日の方法は、直行直帰への対応として別途決めておく必要があります。
確認結果を8項目で記録し1年間保存する
酒気帯び確認を行ったら、結果を記録し、1年間保存します。記録では、必要な8項目がそろっていることが重要です。
| 記録項目 | 記載する内容 | 記録漏れを防ぐ運用 |
|---|---|---|
| 確認者 | 確認を行った人の氏名 | 担当者を選択式にする |
| 運転者 | 運転する人の氏名 | 名簿と表記を統一する |
| 車両 | 登録番号または識別番号 | 車両一覧と連携する |
| 確認日時 | 確認した日時 | 時刻を自動記録できる形にする |
| 確認方法 | 対面・映像・電話など | 非対面時は方法を具体的に残す |
| 酒気帯びの有無 | 確認結果 | 選択式で記入漏れを防ぐ |
| 指示事項 | 運転中止等の指示 | 異常時に必ず記録する |
| その他必要事項 | 運用上必要な補足 | 例外時の経緯を残す |
記録の媒体を検討する際も、保管場所、保存期限、最終的に内容を確認する人を決めておくことが重要です。これらが曖昧だと、記録が各担当者に分散しやすくなります。
アルコール検知器を常時有効な状態に保つ
アルコール検知器は、用意するだけでは足りません。常時有効に保持するとは、正常に作動し、故障がない状態で使えるように管理することです。
メーカーの取扱説明書に沿って使用・保守し、定期的に故障の有無を確認します。校正や交換の頻度は機器ごとに異なるため、社内で一律の日付を決めるのではなく、説明書と契約条件を確認して管理しましょう。
- 機器一覧を作る
- 検知器の識別番号、利用者、保管場所、導入日を台帳にまとめます。どの機器を誰が管理するかを明確にするためです。
- 点検・保守の期限を管理する
- 点検日、故障確認日、校正や交換の予定を記録します。期限が近い機器を見つけられる仕組みを作ると、使えない状態を防ぎやすくなります。
- 故障時の代替手段を用意する
- 予備機の保管場所、故障時の連絡先、代替機を受け取るまでの確認方法を決めます。朝の確認時に機器不良が判明しても、現場で判断を止めずに済みます。
酒気帯び・不在・直行直帰への対応体制
通常時の手順だけを決めても、直行直帰や管理者の休暇が重なると確認が止まりかねません。現場で迷いやすい場面ほど、誰が何を判断し、誰へ連絡するかを先に決めておくことが重要です。
特に酒気を帯びていることが確認された場合は、運転をさせないことを最優先にする必要があります。異常時の対応を個人の判断に任せず、連絡先と代替手段を含む手順にしておきましょう。
酒気を帯びていることが確認された場合は運転を中止する
有反応時は、運転を中止させることが先です。そのうえで、確認者から安全運転管理者へ速やかに報告し、運転を続けさせないための指示を出せる体制を取ります。
社内ルールでは、再確認の扱い、代替の移動方法、業務の引継ぎ、記録の残し方まで決めておくと、朝の忙しい時間帯にも対応しやすくなります。警察へ必ず連絡する、といった一律の手順として扱うのではなく、事実関係や社内規程に応じて必要な対応を判断します。
- 運転を中止する
- 安全運転管理者へ報告する
- 代替の移動・業務手段を手配する
- 確認結果と指示内容を記録する
- 必要に応じて社内ルールを見直す
この流れは、飲酒の有無を判定するための手順ではなく、酒気帯びが確認された後に安全な状態を保つための手順です。判断に迷う事案は、所轄警察署や専門家に確認できるよう、相談先も整理しておくと安心です。
直行直帰は対面に準ずる確認方法を決める
酒気帯び確認は対面が原則です。ただし、直行直帰などで対面確認が難しい場合は、対面と同視できる方法を取ることができます。
大切なのは、測定結果だけでなく、運転者の顔色や応答の声の調子なども確認できることです。単に数値や写真を送るだけの方法にせず、直接の確認につながる手段を選びましょう。
| 確認方法 | 確認できる情報 | 向く場面 | 社内ルールで決めること |
|---|---|---|---|
| 映像を使う方法 | 顔色・応答・測定結果 | スマートフォンで映像確認できる場合 | 接続方法、確認者、保存方法 |
| 直接対話する方法 | 声の調子・測定結果の報告 | 映像接続が難しい場合 | 連絡手段、報告項目、記録方法 |
携帯型の検知器を運転者に持たせる場合も、機器の管理責任を曖昧にしないことが必要です。誰が機器の状態を確認し、測定結果を誰へ報告するかまで決めて初めて、非対面の運用が機能します。
管理者不在時は補助者を事前に指定・教育する
酒気帯び確認は安全運転管理者が行うことが原則です。ただし、管理者が不在である場合や、確認に十分な時間を取れない場合は、副安全運転管理者、確認業務の委託先、その他の補助者に行わせることができます。
補助者へ任せる場合も、確認の責任がなくなるわけではありません。確認方法と異常時の報告ルートを事前に共有することが欠かせません。
| 決めること | 社内での確認方法 |
|---|---|
| 補助者の指定 | 氏名と担当できる時間帯を明文化する |
| 確認手順の教育 | 目視等、測定、記録の方法を共有する |
| 報告先 | 有反応・未実施時の連絡先を決める |
| 運転中止等の指示者 | 最終的に指示を出す人を決める |
| 記録の確認者 | 記録の回収・保存を担当者に割り当てる |
補助者が有反応を確認したときは、安全運転管理者へ速やかに報告し、必要な対応について指示を受けることが求められます。管理者が直接指示を出せない時間帯を想定し、連絡先の優先順位も用意しておきましょう。
アルコールチェックを続けるための運用設計
アルコールチェックは、ルールを作っただけでは定着しません。朝の確認、終業時の確認、記録の回収、検知器の点検を、日々の業務の中で同じ順番に行えるようにする必要があります。
鍵になるのは、確認を担当者の気合いや記憶に依存させないことです。日次フロー、役割分担、教育、見直しの4点を整えると、拠点や運転者が増えた場合にも運用を引き継ぎやすくなります。
朝と終業時の確認フローを一枚にまとめる
安全運転管理者は、対象者の確認から記録の保存までを一枚のフローにまとめましょう。運転者が朝に迷わず行動でき、確認者も未実施者を把握しやすくなります。
- 当日運転する対象者を確認する
- 目視等と検知器で酒気帯びを確認する
- 確認結果を所定の場所へ記録する
- 未実施・有反応時は決めた連絡先へ報告する
- 終業後の確認と記録の確認を行う
フローには、確認の締切時刻、利用する検知器、非対面時の連絡方法も入れます。紙で掲示する場合も、更新担当者を決めて、古い連絡先や手順が残らないようにしましょう。
担当者・補助者・運転者の役割を明確にする
安全運転管理者がすべての確認を一人で担うと、不在時に業務が止まります。運転者、確認者、補助者、最終指示者、記録確認者の役割を分けると、誰が次の行動を取るべきかを判断しやすくなります。
| 役割 | 主な担当 | 不在時の代替 | 記録上の確認点 |
|---|---|---|---|
| 運転者 | 測定、結果の報告 | 所属長へ連絡 | 氏名、車両、確認日時 |
| 安全運転管理者 | 確認、必要な指示 | 副安全運転管理者等 | 確認方法、指示事項 |
| 補助者 | 指定範囲での確認 | 事前指定者へ引継ぎ | 確認者名、報告内容 |
| 使用者・決裁者 | 機材・権限の整備 | 社内規程で決定 | 体制の定期見直し |
役割を決めたら、休暇・出張・人事異動時の引継ぎも確認します。確認者が不在でも報告と指示が止まらない状態を、実際の勤務表に照らして点検することが大切です。
当社のコムズは、確認者の設定や未検知者の把握を通じ、複数人での確認体制づくりを支援します。
教育と定期見直しで形骸化を防ぐ
チェックを導入した直後は守れていても、担当変更や忙しい時期には手順が省かれやすくなります。運転者と確認者の双方に、確認方法と異常時の連絡先を定期的に共有しましょう。
- 入社・異動時に手順を説明する
- 定期的に確認方法を周知する
- 記録の抜けを振り返る
- 機器台帳と点検日を確認する
- 例外事例をフローへ反映する
未実施や記録漏れが起きたときは、個人の注意不足だけで終わらせないことが大切です。確認時刻、記録場所、担当の割り当てに無理がないかを見直すと、同じ抜けを繰り返しにくくなります。
記録管理の負担を減らす方法とクラウド活用
管理方法を選ぶ目的は、アルコールチェックを機械任せにすることではありません。確認、記録、保存、検知器管理を、現場の人数や働き方に合わせて続けやすくすることです。
紙や表計算ソフトでも、必要な項目を確実に残し、確認者が追えるなら運用できます。一方で、直行直帰、複数拠点、多数の運転者がいる場合は、未実施者や記録漏れを早く把握できる仕組みが重要になります。
| 管理方法 | 向く運用 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 紙の台帳 | 少人数・固定拠点 | すぐに始めやすい | 集計・保管・転記に手間がかかる |
| 表計算ソフト | 一定数の運転者を管理 | 様式を調整しやすい | 同時更新や確認漏れに注意が必要 |
| クラウド型システム | 複数拠点・直行直帰がある | 集約・確認・出力を支援しやすい | 自社の運用に合う機能を確認する |
どの方法でも、確認方法、記録8項目、1年間の保存、検知器の管理は欠かせません。管理方法を変えるときは、現在の困りごとを先に整理すると、必要以上の機能を選びにくくなります。
管理方法は運用の複雑さで選ぶ
少人数で同じ場所に出勤し、確認者も固定されている場合は、紙や表計算ソフトでも対応しやすいでしょう。大切なのは、記録がその場で残り、確認者が未実施や有反応を見つけられることです。
一方、営業担当者の直行直帰が多い、拠点ごとに確認者がいる、車両や検知器が増えているといった場合は、情報の集約に時間がかかりやすくなります。現在の記録作業で何に時間がかかっているかを洗い出し、管理方法を検討しましょう。
- 記録を誰が入力しているか
- 未実施者をどう確認しているか
- 拠点ごとの記録をどう集めるか
- 検知器の点検日をどう管理するか
- 保存期間を過ぎた記録をどう扱うか
すべてを一度に変える必要はありません。まずは記録様式、連絡方法、機器台帳など、負担や漏れが大きい箇所から見直すと進めやすくなります。
クラウド型サービスで支援できる業務を確認する
クラウド型サービスは、運転者の測定から管理者の確認までを支援する選択肢です。たとえば当社のコムズには、検知結果の自動送信、確認者設定、未検知者リスト、検知器メンテナンス通知、Excel/CSV出力などの機能があります。
ただし、クラウドを導入すれば法令対応が完了するわけではありません。自社の確認手順や有反応時の指示体制と照らし、必要な情報を確実に記録・確認できるかを検討することが必要です。
| 運用上の課題 | 確認したい機能 | コムズで確認できる支援内容 |
|---|---|---|
| 記録を転記している | 測定結果の記録方法 | 検知結果の自動送信 |
| 確認漏れが気になる | 未実施者の把握 | 未検知者リストの生成 |
| 拠点ごとに状況が分かれる | 確認者・閲覧範囲の設定 | 確認者設定、管理画面での確認 |
| 機器の保守が後回しになる | 点検時期の通知 | 検知器メンテナンス通知 |
| 報告用の集計に時間がかかる | 帳票の出力方法 | Excel/CSV出力 |
自社に必要なのは、機能の多さではなく、現在の運用で抜けやすい箇所を補えることです。資料や相談の場では、運転者数、拠点数、直行直帰の有無、確認者の体制を伝えると、検討しやすくなります。
当社のコムズは、測定結果の自動送信や帳票出力、検知器メンテナンス通知を通じて、日々の管理負担の見直しを支援します。
まとめ|安全運転管理者のアルコールチェックを定着させる方法

安全運転管理者のアルコールチェックでは、運転前後の酒気帯び確認、確認内容の記録と1年間の保存、検知器の常時有効保持が求められます。大切なのは、測定を行うことだけでなく、確認結果を追え、例外時にも運転中止等の指示につなげられる体制を作ることです。
- 運転前後の確認時刻と確認者を決める
- 8項目を記録して1年間保存する
- 検知器の点検・保守の担当を決める
- 直行直帰・不在・有反応時の連絡を整える
- 運用負荷に合う記録管理方法を選ぶ
まずは自社のフローと記録様式を見直し、確認が止まりやすい場面を洗い出しましょう。記録の集約や未実施者の把握、機器管理に負担がある場合は、管理方法を見直すことも有効です。
当社のコムズは、確認・記録・機器管理を自社の運転者数や拠点に合わせて続けやすくするための選択肢です。